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健康コラム
vol.2 熱中症予防のために

保健師コラム

vol.2 熱中症予防のために

今年は5月から気温が高く、梅雨が明けた直後には夏の陽射しが照りつけ、猛暑が続いています。メディアでは連日熱中症関連の報道がなされ、注意喚起されておりますが、救急搬送され死亡する患者が後を絶ちません。
厚労省の統計を見ると、令和2年は年間1528名の死亡が記録されており、令和3年は755名の方が命を落としています。死亡者の年齢構成を見ると、65歳以上の高齢者が約85%を占めており、いずれの年齢層でも発生場所がはっきりしている中では住居での死亡例が最も多くなっています。熱中症は室内や夜間でも多く発生しています。高温多湿の室内で、適切な空調管理をせず、水分補給も十分に取っていない高齢者が多く亡くなっているのが現状です。


熱中症とは?

そもそも熱中症とは、高温多湿な環境に長くいることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、身体の体温調節機能が働かなくなり、体内に熱がこもった状態をいいます。めまい・立ちくらみ・大量の発汗・こむら返り、頭痛・吐気・倦怠感などの症状が見られ、重症化すると意識消失・痙攣、場合によっては死亡することもあります。


熱中症の症状が出たら

熱中症が疑われる人がいたら、まず涼しい場所に移し、首や脇の下などを冷やし、水分だけでなく塩分・ミネラルも同時に補給させる必要があります。利尿作用のあるカフェインを含むコーヒー・緑茶などは避け、経口補水液やスポーツドリンクなどを飲ませるようにしましょう。また、自力で水が飲めない、応答がおかしい時には、ためらわずに救急対応をしてください。


熱中症は予防が可能

熱中症は予防することが大切です。暑さを避けるようにしましょう。
・外出時も冷えた水分を持ち歩き、帽子・日傘を用いて直射日光を避ける。
・通気性の良い衣服を着用する。
・睡眠を十分に取り、栄養バランスのとれた食事を心掛け、体調管理に留意する。
・近距離(2メートル以内を目安)で会話するような場合を除いて、屋外での活動(徒歩や自転車での通勤・通学時や、散歩やランニングといった運動時など)においては、マスクをはずしましょう。
・室内では過度な節電は避け、適切な温度湿度を保ち、のどの渇きを感じなくても水分塩分をこまめに補給する。

こういったことを意識して気をつけていれば、あらかじめ予防することが可能です。


職場での熱中症対策

では職場における熱中症対策はどうでしょうか。
職場では熱中症で死亡する労働者が毎年約20名おり、4日以上仕事を休む人は約600名いるため、職場での熱中症対策もとても重要な課題です。
厚労省では『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』を展開し、職場での熱中症予防を注意喚起しています。
まず4月を準備期間として、暑さ指数計の点検、作業場所・休憩場所の環境管理、管理者選任などの体制整備、従業員の熱中症予防に対する教育などを行います。※暑さ指数系はJIS規格に適合したもの
5月~9月は、暑さ指数を測定し低減させる工夫をし、作業計画に基づいた休憩時間の確保を推奨しています。暑さに慣れるまでの順化期間を設け、休憩を取りながら1週間程度かけて身体を慣らしていくことも大切です。高血圧・糖尿病・心疾患など基礎疾患を持つ従業員は熱中症にかかりやすいため、特に注意が必要です。 職場においては、従業員同士もお互いの体調を気遣い、熱中症の発症および重症化を防ぐため、事業所単位で熱中症対策に取り組むようにしましょう。

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