vol.35 ウィズコロナとマスク

2021年1月7日 保健師コラム

2019年12月、中国武漢市から始まったとされている新型コロナウィルス感染。今年は「コロナ」を聞かない日はなかったと思います。
「withコロナ」の時代。
皆さんの生活にも何らかの変化があったと思います。
3密の回避、テレワークの実施、外出自粛、マスクの着用・・・
今回は、その中でも感染症対策のひとつ「マスク」について注目です。

マスクと日本

「マスクは重大な病気にかかっているときにするもの」の世界認識がありました。
昨今は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、WHOも「人同士の距離をとるのが難しい場合、マスクの着用を推奨する」と述べています。
日本では新型コロナウィルスが流行する前からマスクを着用する習慣がありました。
花粉症だから、すっぴんを隠したいから、感情を読み取れたくないから・・・人によって理由はさまざま。
また、昔から口元を抑えて笑うほうが上品、大声を出したり大口をあけることははしたないこと、とされてきました。日本の文化の延長にマスクがあるのかもしれません。

マスクへの意識の変化

株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)が実施したマスクに関するアンケート結果です。

「風邪やインフルエンザ、花粉症などの予防のためにマスクをしますか」の問いに対し、
「よくする」「たまにする」と答えた割合が、2016年12月では58.9%であったのに、2020年7月では89.4%の人がマスクをすると答えました。
マスクはもはや日常生活の必需品となったことがわかります。

マスクの種類

マスクは用途により「医療用マスク」「家庭用マスク」「産業用マスク」に分けられます。
私達が一般的に使用しているものは「家庭用マスク」になります。

ガーゼマスク:
ガーゼを何重にも重ねたマスク。政府が配布した「アベノマスク」がこれにあたります。
湿気を含みやすく、保湿・保温に効すぐれているといわれています。フィルターがなく通気性は良いです。ただし顔周りにゆとりが多くなりがちです。
洗って繰り返し使え、コストパフォーマンスは良いです。

不織布マスク:
使い捨てプリーツマスクです。
布糸を圧着させて作るため、フィルター力は高く、埃や花粉などの侵入を防ぎます。ただし通気性はあまりよくなく、蒸れや息苦しさを感じることもあります。
顔とマスクに隙間ができやすいので、ノーズフィッター付きがお勧めです。

ポリエステルマスク:
立体的な構造をしたマスク。最近では水着素材のものなども発売されています。フィルター力は不織布マスクより劣りますが、顔との隙間ができにくいのが特徴です。
色の種類も多く、ファッション性が高いですね。

マスクでウィルスカットできる? ~透過率~

マスクが100%ウィルスの侵入を防御することはできませんが、「人に移さない」観点ではとても重要です。
実際のところ、マスクはどの程度ウィルスカットできるのでしょうか。

それぞれの微粒子の大きさと不織布マスクの繊維の隙間の大きさです。
ハウスダストや花粉についてはカットできそうですが、ウィルスや細菌についてはマスクの隙間を通ってしまいます。
くしゃみ等での唾は、5μm以上のものであれば、マスクを通して出ていくことはなく、暴露を防ぐことができます。
また、マスクと顔に隙間を作らないよう、密着させて装着することで飛沫の侵入を防ぐことができます。

感染予防の視点から

マスクで感染予防ができるか、どうか。
メディアでもたくさんとりあげられていますね。
マスクを推奨する理由は大きく2つあると考えます。

①マスク(不織布)を着用することで、自分の飛沫が飛び散るのを防ぐ
ウィルスは水分にくっついて飛んでいきます。
感染者がマスクを着用することが最大の効果です。感染者がマスクをしていれば、健康な人がマスクをたとえしていなくても20~40%程度までウイルスの侵入を抑えます。

②集団でマスクを着用すると、感染リスクは85%減少する
カナダの大学の研究で、1メートル以上の距離を置くことで感染リスクが82%減少すること、マスクの着用では85%減少することがわかりました。
感染者も健康な人も互いにマスクを着用することで感染リスクは20%程度まで抑えられるということです。

ウィルスと湿度

冬になると風邪が流行するのは、ウィルスが好む環境となるからです。
気温が低く、乾燥する環境。
逆に言えば、適度な室温・湿度を保つことでウィルスが長く留まることを防ぐことができます。

温度・湿度とウィルスの生存率のグラフです。

1961年にG.J.Harperらによって発表されたsurvival test with for virusesという論文によると、インフルエンザウィルスは温度・湿度が高い環境ですと、生存率が下がることが明らかになりました。
この結果が100%ということもありませんが、少なくとも室温22℃、湿度50%に保つことが、ウィルスの生存率を下げることにつながりそうですね。

また、換気も大切で、新しい空気を循環させておくことで感染リスクを抑えられると言われています。1時間に2回が目安とよく言われていますが、汚れた室内の空気を外気で入れ替えることが目的です。できるだけこまめに換気をしておくことをお勧めします。

感染対策

コロナウィルスに限らず、冬は様々な感染症が流行します。
ひとりひとりの対策が周囲の人たちを守ることにつながります。
「手指衛生」「マスクの着用」「環境整備」「密の回避」できることはたくさんあります。
この冬をしっかり乗り越えましょう。

参考文献
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html
http://www.jhpia.or.jp/index.html
https://msphere.asm.org/content/5/5/e00637-20  他

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