vol.18 職場のパワーハラスメント

2019年11月7日 産業医コラム

職場のパワーハラスメント イメージ

昨今、様々なハラスメントの名前を見るようになりましたが、今回のコラムでは衛生委員会でもテーマになることが多い「職場のパワーハラスメント」について取り上げてみたいと思います。

パワーハラスメント(パワハラ)とは

職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為です。上司から部下へのいじめ・嫌がらせだけでなく、同僚間や部下から上司に対して行われるものも含みます。

職場のパワハラの典型的な行為として以下のようなものがあります。

  1. ①身体的な攻撃(暴行・傷害)
  2. ②精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
  3. ③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
  4. ④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
  5. ⑤過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない)
  6. ⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入る)

平成24年の厚労省の実態調査によれば、過去3年間で45%の企業がパワハラに関する相談を受け、その内の70%に実際にパワハラに該当する事案がありました。また、従業員に対する調査では、過去3年間にパワハラを受けたことのある者が25%いましたが、この内半数は何の対処もしなかったと回答しています。
最近の傾向を見ると、いじめ・嫌がらせに関する相談件数が急増しており、うつ病などの精神障害を発症するケースも増加しています。パワハラを放置することで会社全体の生産性の低下にも繋がりかねません。

パワハラを予防する

では、パワハラを予防するにはどうしたらよいのでしょうか?
まず、社内でパワハラはあってはならないものとの認識を社長以下、全社員が共有することが重要です。パワハラを行った者に対しては、就業規則などで厳正に対処(懲戒規定等)することも大事です。
実態の把握のためには、全社員を対象にアンケート調査を実施することが有効だと思われます。アンケートを実施することにより、社内でパワハラへの関心が高まり、話し合いをし易い環境作りにも役立ちます。
企業調査では、実際に効果が実感できた取り組みとして、第1位が「管理職を対象にした講演・研修会の実施」となっており、「一般社員を対象にした講演・研修会の実施」「アンケート等での社内の実態把握」「コミュニケーション活性化等に関する研修・講習会等の実施」と続いています。

パワハラを解決するには

パワハラ解決のためには、相談窓口を設置する必要がありますが、それだけでは不十分で、窓口がうまく活用されるように運営していかねばなりません。また、一旦解決した事案の再発防止への取り組みも重要です。パワハラの劣悪性を再認識し、防止体制を確立し、社内で周知・共有することで良好な職場環境を構築していきましょう。

参考資料
厚生労働省『職場のパワーハラスメント対策ハンドブック』

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