vol.17 労基署の調査について ~お客様の実例~

2019年10月4日 クローズアップ

労基署の調査について ~お客様の実例~ イメージ

今回は労働基準監督署の調査について、実際に体験されたお客様の実例を聞くことができましたので、簡単にまとめたものをご紹介します。

労基署の調査

労基署の調査は、大きく分けて2種類あります。

  • ・定期監督
    定期的・計画的に実施される労働基準監督署主導の調査。
    原則として臨検(立ち入り調査)は行われず、必要書類を持参のうえ事業所が労働基準監督署へ出向きます。
  • ・申告監督
    労働者からの申告に基づいて実施される調査。
    いわゆる労働者からの申告によるもので、その裏づけとなる事実を中心に臨検(立ち入り調査)が行われます。

今回は定期監督について、調査の内容や流れについてお伝えします。

調査の内容や流れ

  1. ①調査の告知
    ある日突然、事業所の労務担当者へ労基署から手紙が届きます。手紙には労基法の遵守と働き方改革を推進するため、中小企業事業場への啓蒙、現状調査を兼ねて調査を実施する旨の記載があります。
    招集されるのは代表者又は労務担当責任者とありますが、結論としてはヒアリングが経営側、現場側に及ぶこと、現状の対策等がタイムリーにやり取りできることから、経営者と実務担当責任者両方の出席が望ましいと思われます。
    なぜ調査対象に選ばれたか等については、理由を知りたくなりますが、この段階では文面の硬軟で推測するしかなく、正確なところは当日労働基準監督官とのやりとりまでわからないそうです。
    定期監督に関しては任意無作為という建前ですが、社労士に聞くと、労基署別に業種・規模等テーマを決めて調査対象を決めているようです。
  2. ②持参するもの
    就業規則、タイムカード等の労働時間が把握できるもの、時間外労働・休日労働に関する協定届、変形労働時間制関係書類、賃金台帳、衛生委員会議事録、健康診断個人結果票など、持参物の案内があります。
    多岐にわたるのと、各種書類は1年分程度を用意しなければならず結構な分量になるので、①記載のように複数名で調査に臨まれる方がベターと言えます。
  3. ③実際に聞かれること
    (1)賃金や時間外労働手当が適正に支払われているか、未払い賃金や手当はないか、労働時間管理をしているか、時給者の賃金は最低賃金を下回っていないか等、各種書類を見ながらチェックがあります。
    ※タイムカードと勤怠管理簿との間で誤差があると運営方法まで及び、細かい部分を一人一人ヒアリングされます。フレックスを導入している場合は、その内容(協定書)などのチェックもあります。

    (2)休日や年次有給休暇を取得させているか、慢性的に長時間労働になっていないか等をチェックして防止、予防策を求められます。
    ※有休管理簿で(1)同様、個々人の状況をチェックされます。年5日以上の年次有給休暇取得義務と時季指定についての説明があったのは、2019年4月からの法改正による指導だと思います。

    (3)10人以上の事業場では、就業規則の作成届出がされているか、内容が法令や事業所の現状と適合しているか等のチェックがあります。
    ※社員が就業規則を理解しているか、閲覧できる状態にあるか等の質問もあったそうです。

    (4)安全衛生関連では、年1回以上の健康診断の実施、50人以上の事業場だと衛生管理者、産業医等の選任届出、ストレスチェックの確認があり、企業の健康経営の体制について検査します。
    ※健康診断実施義務の確認だけでなく、健康診断受診後の就業判定についても聞かれ、個々人の検査結果を見ながら従業員の健康管理状況を問われます。

事前の準備、体制が必要

1時間半程度、と予め時間の告知はありますが、ほぼフルタイム使い切ったとのことです。場合によっては時間超過する事業者も多いと聞いています。
労基署から告知があった場合は、調査の実施日まであまり日はないようですが、しっかり書類を整えて何を聞かれても真摯に返答できる体制で臨まれるほうがよさそうです。

ページトップへ