vol.14 見直そう!ストレスチェック制度

2019年6月26日 産業医コラム

見直そう!ストレスチェック制度 イメージ

常時50人以上の労働者がいる事業所にストレスチェックの実施が義務付けられてから、4年が経ちました。一昨年出された厚労省の報告では、実施率は50人~99人の事業所で78.9%、1000人以上の事業所で99.5%、全事業所では82.9%となっており、受検率は全事業所を合わせて78.0%と、事業所の規模による差異はあまりありませんでした。
このように、ある程度定着してきたと思われるストレスチェック制度ですが、今回はこの制度の意義と目的について再度考えてみたいと思います。

職場のメンタルヘルスケア

職場のメンタルヘルスケアに関しては、以下の三つの段階に分けて対処する必要があります。

  1. ①メンタル不調になることを未然に防止する一次予防
  2. ②早期発見及び迅速で適切な対処をする二次予防
  3. ③メンタル不調に陥ってしまった労働者の職場復帰を支援する三次予防

このうち①の一次予防を強化するために創設されたのが、ストレスチェックです。ストレスチェックには二つの大きな目的があります。

目的1.ストレスへの気づきの促進

一つは、結果を直接本人に通知することで労働者自身のストレスへの気づきを促すことです。自らのストレス状態を自覚し対処することで、メンタル不調の発症を予防できます。
通常の流れとしては、産業医面談でアドバイスを受け必要に応じて専門医を受診しますが、高ストレス状態であることを事業所に知られたくない場合は、直接心療内科を受診しカウンセリングを受けることも選択肢の一つです。
いずれにせよ、自分が高ストレス状態であると分かった時点で放置せず、何かしらの対策を立てるようにしましょう。

目的2.職場環境の改善

もう一つの目的は、職場環境の改善に繋げることです。集団分析により職場のストレス要因を分析評価し、職場環境の改善に繋げることが、労働者のメンタル不調の発症防止に役立ちます。
しかし、集団分析は努力義務とされているためか、実施している事業所は全体の半分程度です。ストレスチェックは実施しているものの集団分析を実施しなければ、職場での環境改善に繋がる情報が得られず、せっかく手間とお金をかけて実施した制度の価値が半減してしまいます。
また、産業医や保健師などの外部の産業保健スタッフとの連携が取れていなければ、さらにその価値は下がってしまいます。

まとめ

事業所のストレスチェック担当者にとっては、多忙な日常業務のなか新たな制度を理解し、全従業員に周知して実施するのは大変なことです。産業衛生サポートもそうですが、最近はこのような業務の委託を受ける業者も増えています。
せっかく実施するのであれば専門業者への外部委託も視野に入れながら、ストレスチェックを意味のある価値の高いものにしていただきたいと思います。

参考資料
厚生労働省『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル』
厚生労働省『ストレスチェック制度の実施状況』など

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